- 暗号資産のレンディングについて詳しく知りたい人
- レンディングのメリット・デメリット両方を知ったうえで、レンディングを利用するか決めたい人
- レンディングサービスを利用できる取引所とその選び方を知りたい人
私は
「そもそもレンディングって何?」
「銀行に預けるのと同じようなこと?」
といった完全初心者から暗号資産を始めました。
そんな私でも、ネットや書籍で勉強し、現在は5つの暗号資産取引所で口座を開設した経験をもとにこの記事を執筆しています。
暗号資産のレンディングにおけるメリット・デメリットを理解すれば、利用するべきか、しない方が良いのか自分で判断できます。
まずは、暗号資産のレンディングとは何かを紹介するので、ぜひ読み進めてください。
暗号資産のレンディングは「銀行の定期預金のようなもの」
暗号資産のレンディングは、「銀行の定期預金のようなもの」と考えると分かりやすいかと思います。
保有している暗号資産を取引所に一定期間預けることで、リターン(利用料)を得られるサービスです。
ここではレンディングをより詳しく知りたい方のために、レンディングの仕組みを簡単に解説していきます。
別にわかってなくてもとりあえず稼げるのか知りたい場合は「レンディングサービスのシミュレーション」に飛んで行っても問題ありません。
仕組みを知らないとレンディングできない!なんてことはないので、気になる方だけでも読んでみてください。
レンディングの仕組み
レンディングによる暗号資産の流れをざっくり表すとこんな感じ。
- 貸したい人(あなた)が取引所に暗号資産を貸す
- 取引所が暗号資産を借りたい人(第三者)に融資する
- 借りたい人が借りた分の手数料を取引所に支払う
- 貸しつけ期間終了後、取引所から貸したい人に利用料が支払われる
ここまでを読んで
暗号資産を借りたい人ってどんな人?
と思った方もいるかもしれません。
その答えはずばり、レバレッジ取引をやりたい人です。
貸しつけた暗号資産はレバレッジ取引に使われる
レバレッジ取引とは、自身が持っている資金よりも多くの資金を使った取引が行える仕組みです。
レバレッジ取引の大きな特徴は、差額決済。
レバレッジをかけると取引所から直接資金を貸してもらえるのではなく、レバレッジをかけて取引した暗号資産の取引によって生まれた差額分だけを受け取るようになります。
例えばこんな感じ。
1BTC=400万円で、ビットコインの価格が2倍になった場合
レバレッジなし:400万円で1BTCを購入
1BTC→2BTC=差額1BTC…①
レバレッジ(2倍)あり:800万円で2BTCを購入
2BTC→4BTC=差額2BTC…②
②-①=1BTC…③
レバレッジをかけたことで生まれた③を取引所が補填するために、レンディングで貸しつけてもらった暗号資産が使われるのです。
レンディングサービスのシミュレーション
レンディングサービスについてはなんとなく分かったけど、具体的にはどのくらいもらえるの?
という方のために、シミュレーションしてみましょう。
条件はこんな感じ。
銘柄:ビットコイン(1BTC = 400万円)
金利:年率3%
貸付期間:3ヶ月(90日間)
貸付金額:0.01BTC(4万円)
これを計算すると
0.1(BTC) × 3(%) ÷ 365 × 90(日間) = 0.0007397(BTC)
1BTC = 400万円で計算すると
0.0007397(BTC) × 4,000,000(円) = 約2,958(円)
3ヶ月貸すだけで、これだけの利益が得られます。
とはいえ
たったこれだけかー。
と思った方もいるかもしれません。
たしかに、まとまった利益を得るには、ある程度の金額を長期間貸しつけることが必要です。
ハイリスク・ハイリターンで勝負という人よりは、コツコツ資産を増やしたい人の方が向いているサービスと言えるかも。
暗号資産のレンディングサービスを利用する5つのメリット
暗号資産のレンディングサービスを利用するメリットは、以下の5つです。
- 簡単に始められる
- 銀行よりも金利が高く、資産が増える可能性がある
- 少額から利用できる
- 貸した暗号資産を持ち逃げされるリスクが少ない
- 専門的な知識や時間がない人でも利用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①簡単に始められる
1つ目のメリットは、面倒な手続きが必要なく簡単に始められること。
レンディングサービスが利用できる暗号資産取引所で口座を開設していれば、ほとんどの取引所で5分程度で申込できます。
口座を開設するときと比べたら、「簡単に」「短時間で」レンディングサービスを利用できます。
②銀行よりも金利が高い
2つ目のメリットは、金利が高く銀行に預けるよりも資産が増える可能性が高いこと。
たとえば、ゆうちょ銀行(通常貯金)の金利は0.001%(2023年9月11日時点)、楽天銀行(普通預金)の金利は0.02%と少ないです。
一方、レンディングの金利は一般的に1%~5%に設定されています。
”金利の違いだけ”を考えると、銀行に預けるよりもレンディングサービスを利用した方が断然お得といえるでしょう。
低いものでも0.5%、高いものだと10%に設定されている場合もあるから驚きですね。
③比較的少額から利用できる
3つ目のメリットは、少額から利用できる暗号資産取引所もあるところ。
株を買うとなると10万円程度は必要になるケースもありますが、Coincheck(コインチェック)のレンディングであれば1万円程度から利用できます。
貸しつけられる最低の数量(最小貸出数量)は取引所や銘柄、貸付期間などによって異なるので、事前にチェックしておきましょう。
④貸した暗号資産が持ち逃げされるリスクが少ない
4つ目のメリットは、貸した暗号資産が持ち逃げされるリスクが少ないこと。
個人と個人の取引だったら
友だちに貸した漫画がいつになっても返ってこない…
といった感じで、相手に持ち逃げされる可能性もありますよね?
しかし、レンディングであれば暗号資産取引所を介して貸し借りを行うので、そのリスクが軽減されます。
また、取引所とは「消費貸借契約」を結ぶので、貸した暗号資産が取引所から返還されないという事態も起こらないといえるでしょう。
金融庁に登録されている暗号資産取引所を利用すれば、ひとまず安心です。
⑤専門的な知識や時間がない人でも利用できる
5つ目のメリットは、専門的な知識や時間がない人でも利用しやすいこと。
1度貸してしまえば、期間が終了するまでやることはありません。
暗号資産の取引で利益を出すオーソドックスな方法は、安く買って高く売ること。
そのためには、価格がどうなっているか、将来性や世界の動向はどうかなど常にチェックしておかなければなりません。
ただ、これには専門的な知識や多くの時間が必要です。
その点レンディングであれば、貸すだけでOK!
知識や時間がない初心者でも利用しやすいサービスといえるでしょう。
暗号資産のレンディングサービスを利用する3つのデメリット
暗号資産のレンディングサービスを利用するデメリットは、以下の3つです。
- 絶対に利益を得られるとは限らない
- 貸出している期間中は取引・解約できない
- いつでもサービスを利用できるわけではない
①絶対に利益を得られるとは限らない
1つ目のデメリットは、100%稼げるサービスではないということ。
貸すだけで利益が得られる一方で、次のような理由から損をする可能性もあります。
- 貸した暗号資産の価格が下がる
- 取引所の破綻やハッキングによって、貸した暗号資産が返還されない
暗号資産の価格は1日で大きく変わることもありますし、大手だからつぶれないということでもないから、レンディングによって損をする可能性を0にすることはできません。
とはいえ、比較的価格が安定しているビットコインをレンディングしたり、短期間だけ貸すようにしたりすることでリスクを抑えられるでしょう。
②貸出している期間中は取引・解約できない
2つ目のデメリットは、貸出している期間中は取引・解約できないということ。
貸している間は、自分の手元にないので暗号資産を自由に売買できません。
さらに、途中で解約するのは原則禁止です。
つまり、貸している暗号資産の価格が下がったからといって、貸付期間中は売れないので損をする可能性があります。
申請して解約が認められた場合でも、利用料が支払われず、解約手数料もかかるので注意してください。
どうせ口座に置いておくだけなら…ぐらいの感覚でサービスを利用するのがベストかもしれません。
③いつでもサービスを利用できるわけではない
3つ目のデメリットは、いつでもサービスを利用できるわけではないということ。
こちらが貸したくても、取引所が認めなければレンディングサービスを利用できません。
暗号資産ごとに取引所全体で借りる上限が決められていることから、レンディングの申込ができる期間が決まっている取引所もあります。
レンディングサービスを利用できないことも考えて、積み立てやステーキングなどほかのサービスを利用できる暗号資産取引所で口座を開設しておくのも1つの手です。
レンディングサービスを利用する取引所を選ぶポイント
レンディングサービスを利用する取引所を選ぶときにチェックしておくと良いポイントは、以下の5つ。
- 取り扱い銘柄の種類
- 金利(利用料率)
- 貸付期間
- 貸付られる最低の金額
- 暗号資産取引所の安全性
それぞれサクッと解説しますね。
①取り扱い銘柄の種類
レンディングサービスを利用できる銘柄は、取引所によってさまざま。
あなたが貸したい暗号資産が対応しているか、事前に確認しましょう。
ちなみにレンディングによる利益は、基本的に日本円ではなく、貸した暗号資産で返ってきます。
つまりレンディングを利用すれば、ほったらかしでも増やしたい暗号資産を増やせる可能性があるってことです。
②金利(利用料率)
よりお得に利益を得たいなら、金利が高い取引所を選ぶべきです。
しかし金利が高い分、貸した暗号資産の価格が下がったときに損失が大きくなることも忘れてはいけません。
そんな金利は、暗号資産取引所や銘柄、貸付期間などによって異なります。
特に価格が急激に下がることもあるアルトコインをレンディングする場合は、注意した方が良いかもしれません。
③貸付期間
貸付期間が長いほど、得られる利益は多くなります。
しかし上記でも説明した通り、貸付期間中は暗号資産の取引ができません。
不安な人は、短期間から始めてみてください。
④貸し付けられる最低の金額
持っている暗号資産が少ない方ほど、貸し付けられる最低の金額もチェックしたいところ。
取引所によっては数万円程度から利用できる場合もありますが、数十万円かかるところもあるので事前にチェックしてください。
⑤暗号資産取引所の安全性
最後に、暗号資産取引所の安全性も重要です。
セキュリティレベルの低い暗号資産取引所に貸してしまうと、戻ってこない可能性もあります。
いくら金利が高いからといって、名前も聞いたことがないような取引所でレンディングを利用することがないようにしましょう。
【比較】暗号資産のレンディングサービスを利用できる国内取引所3選
レンディングサービスを利用する取引所を選ぶポイントを理解したところで、ここでは3つの国内取引所を一覧にしました。
レンディングサービスを利用する暗号資産取引所を決めるときの参考にしてみてください。
Coincheck | GMOコイン | bitbank | |
サービス名 | Coincheck貸暗号資産サービス | 貸暗号資産ベーシック | 暗号資産を貸して増やす |
銘柄 | 23種類 | 27種類 | 30種類 |
金利(利用料率) | 〜5% | 1〜10% | 0.1〜5% |
貸付期間 | 14,30,90,180,365日 | 1,3ヶ月 | 1年 |
<ビットコイン> | 貸付られる最低の金額約1万円 | 約40万円 (0.1BTC)※ | 募集月・利用料率による (年率0.5%…約4万円)※ |
安全性 | ○ | ◎ | ◎ |
※1BTC=400万円の場合
詳しくは、それぞれの公式サイトからチェック!
レンディングサービスの始め方
ざっくりとしたレンディングサービスの始め方は、以下のとおり。
- レンディングサービスを利用できる取引所の口座を開設する
- 暗号資産を購入する
- レンディングサービスに申し込む
誰でも簡単に申込できますが、デメリットもあります。
よく考えたうえで、レンディングを利用するか決めてください。
暗号資産のレンディングに関するよくある質問
ここまでを読んで、レンディングサービスについて疑問点が浮かんだ人もいるのではないでしょうか?
ということで、ここでは暗号資産のレンディングに関するよくある質問に答えていきます。
手数料はかかる?
レンディングサービスを利用する際の手数料はかかりません。
ただし、途中で解約する場合は手数料を払わなければならないところがほとんどなので注意してください。
税金はかかる?
レンディングで得た利益には、税金がかかります。
雑所得に分類され、累進課税方式が採用されています。
まとめ:暗号資産のレンディングは資産を増やす1つの手段
暗号資産のレンディングは「銀行の定期預金のようなもの」でした。
絶対に儲かるとは言えませんが、初心者でも始めやすいサービスです。
最後に、この記事で紹介した暗号資産のレンディングサービスを利用するメリット・デメリットをおさらいしておきます。
暗号資産のレンディングサービスを利用する5つのメリット
- 簡単に始められる
- 銀行よりも金利が高く、資産が増える可能性がある
- 少額から利用できる
- 貸した暗号資産を持ち逃げされるリスクが少ない
- 専門的な知識や時間がない人でも利用できる
暗号資産のレンディングサービスを利用する3つのデメリット
- 絶対に利益を得られるとは限らない
- 貸出している期間中は取引・解約できない
- いつでもサービスを利用できるわけではない
暗号資産の売買によって得られる利益に比べたら、レンディングによる利益は少ないかもしれません。
さらに、損をする可能性もあります。
しかし、暗号資産を貸すだけで資産を増やせるのは魅力的。
まずはお試しで、少額・短期間から挑戦してみるのもいいかもですね!
Coincheck(コインチェック)は約1万円から貸しつけでき、セキュリティ対策にも力を入れている暗号資産取引所です。
レンディングサービスを利用したい方は、ぜひ下のボタンから口座を開設するところから始めてみてください!
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