- 暗号資産のステーキングについて詳しく知りたい人
- ステーキングのメリット・デメリット両方を知ったうえで、ステーキングサービスを利用するか決めたい人
- ステーキングサービスを利用できる取引所とその選び方を知りたい人
私は
「ステーキングなんて聞いたことない」
「ブロックチェーン参加への対価って何?」
といった完全初心者から暗号資産を始めました。
そんな私でも、ネットや書籍で勉強し、現在は5つの仮想通貨取引所で口座を開設した経験をもとにこの記事を執筆しています。
暗号資産のステーキングにおけるメリット・デメリットを理解すれば、利用するべきか、しない方が良いのか自分で判断できます。
まずは、暗号資産のステーキングとはどんなものなのかを紹介するので、ぜひ読み進めてください。
ちなみに、直接ブロックチェーンに参加することによって自力でもステーキングできますが、めちゃくちゃ難易度が高いです。
そのためこの記事では、国内取引所を使ったステーキングについて解説していきます。
暗号資産のステーキングは「株式投資のようなもの」
暗号資産のステーキングは、「株式投資のようなもの」と考えると分かりやすいかと思います。
株式投資では、株式を持つことで企業の成長に応じた配当金がもらえます。
同じようにステーキングは、対象となっている暗号資産を持っているだけで報酬がもらえるサービスです。
仕組み
ステーキングは、ブロックチェーンの安定やセキュリティの向上に貢献した対価として報酬がもらえる仕組みです。
ここで覚えていて欲しいのは、『すべての暗号資産がステーキングできるわけではない』ということ。
よりステーキングについて詳しく知りたい。
という方のために、ステーキングできる暗号資産とそうでないものとの違いについてざっくり説明します。
ただし、この話は別に覚える必要はないので読み飛ばしてもOKです!
ステーキングできるのはコンセンサスアルゴリズムに「PoS」を採用している銘柄だけ
コンセンサスアルゴリズムを簡単にいうと、暗号資産の取引データを誰がブロックチェーンに記録するのかを決めるルール。
コンセンサスアルゴリズムにはいくつか種類がありますが、ここではPoWとPoS、DPoSの違いを表にまとめてみました。
PoW | PoS | DPoS | |
対象の銘柄 | ビットコインなど | イーサリアム2.0など | リスクなど |
ルール | 1番早く計算を終わらせる | たくさん保有する | 保有料に応じて与えられた投票権で、記録する人を決める |
強み | セキュリティが高い | ・消費電力が少ない ・個人でもできる | 民主主義な側面がある |
弱み | ・膨大な計算をするため、高性能なPCを持つ企業が有利 ・消費電力が大きく環境負荷が懸念されている | たくさん保有する人が増えるため、流動性が落ちる可能性がある | 特定の人だけが選ばれやすくなる懸念がある |
ビットコインはPoWを採用しているので、ステーキングできません。
一方、DPoSはPoSをもとに作られており、ステーキングできます。
暗号資産のステーキングサービスを利用する5つのメリット
暗号資産のステーキングサービスを利用するメリットは、以下の5つです。
- 簡単に報酬がもらえる
- 銀行よりも金利が高い
- ステーキング中でも自由に売買できる
- 分別管理の対象
- 専門的な知識や時間がない人でも利用できる
①簡単に報酬がもらえる
1つ目のメリットは、特別な手続き不要で簡単に報酬がもらえること。
ステーキングでは、対象となる暗号資産を持っているだけで報酬がもらえます。
レンディングサービスを利用する場合は申込が必須で、いつでも利用できるとは限りません。
一方ステーキングでは、申込が必要なくいつでも始められます。
対象の暗号資産を買って持っているだけで、自動で自分の口座に報酬がもらえるのは手軽でいいですね。
②銀行よりも金利(報酬年率)が高い
2つ目のメリットは、金利(報酬年率)が高く銀行に預けるよりも資産が増える可能性が高いこと。
たとえば、ゆうちょ銀行(通常貯金)の金利は0.001%(2023年9月11日時点)、楽天銀行(普通預金)の金利は0.02%と少ないです。
それに対して、ステーキングの金利は1%~7%と高めに設定されています。
”金利の違いだけ”を考えると、銀行に預けるよりもレンディングサービスを利用した方が断然お得といえるでしょう。
③ステーキング中でも自由に売買できる
3つ目のメリットは、ステーキング中でも自由に売買できること。
暗号資産を貸して報酬をもらっている期間中は自由に取引できないレンディングに対し、ステーキングは報酬をもらっている間でも自由に売買してかまいません。
暗号資産の価格が下がったとき、現金が必要になったときなどすぐに対処できるので安心です。
ただしステーキングしている暗号資産をすべて売ってしまうと、当然ながら自動でステーキング報酬の配布は停止します。
④分別管理の対象
4つ目のメリットは、分別管理の対象であること。
分別管理とは、暗号資産取引所とユーザー(私たち)が持っている暗号資産を物理的に分けて管理する方法。
これによって、
次のようなメリットがあります。
- 取引所が破綻しても、原則ユーザーの暗号資産が返還される
- 取引所がハッキングされても、資産が盗まれるリスクが低い
- 取引所社員による不正のリスクが低い
⑤専門的な知識や時間がない人でも利用できる
5つ目のメリットは、専門的な知識や時間がない人でも利用しやすいこと。
1度購入してしまえば、特に何もする必要はありません。
一方で、暗号資産の取引で利益を出すオーソドックスな方法は、安く買って高く売ること。
そのためには、暗号資産の価格がどうなっているか、将来性や世界の動向はどうかなど常にチェックしておかなければなりません。
ただ、これには専門的な知識や多くの時間が必要です。
その点ステーキングであれば、持っておくだけでOK!
知識や時間がない初心者でも利用しやすいサービスといえるでしょう。
暗号資産のステーキングサービスを利用する3つのデメリット
暗号資産のステーキングサービスを利用するデメリットは、以下の3つです。
- 絶対に利益を得られるとは限らない
- ステーキングサービスが中止される可能性がある
- サービスを利用できる取引所や銘柄が限られている
①絶対に利益を得られるとは限らない
1つ目のデメリットは、100%稼げるサービスではないということ。
持っているだけで利益が得られる一方で、報酬がもらえないこともあります。
さらには、次のような理由から損をする可能性もあるのです
- ステーキングしている暗号資産の価格が下がる
- 取引所の破綻によって、暗号資産取引所で管理していた暗号資産が返還されない
暗号資産の価格は1日で大きく変わることもありますし、大手だからつぶれないということでもないので、ステーキングで損をする可能性を0にはできません。
ちなみにもらえる報酬も変化するので、一定した利益を得られるサービスではないということも理解しておきましょう。
②ステーキングサービスが中止される可能性がある
2つ目のデメリットは、取引所の判断でステーキングサービスが中止される可能性があること。
もちろんサービスが停止されれば、暗号資産を保有していても報酬はもらえません。
「もらえるならラッキー」ぐらいの感覚でサービスを利用するのがベストかも。
③サービスを利用できる取引所や銘柄が限られている
3つ目のデメリットは、すべての取引所・銘柄でサービスを利用できるわけではないということ。
現在、ステーキングサービスを利用できる国内取引所は少ないです。
以前は大手のCoincheck(コインチェック)やbitFlyer(ビットフライヤー)でもステーキングできていましたが、現在(2023年9月時点)はサービスを停止しています。
また、ステーキングできる銘柄は少なく、1番メジャーなビットコインはステーキングできません。
とはいえ、初心者のうちはなかなか手を出しにくいアルトコインを持っているだけで報酬がもらえるのは嬉しいポイントといえるでしょう。
ステーキングは、売買取引と比べて短期で稼ぐのは難しいです。
その一方で損をするリスクが低いので、アルトコインの取引を始めるきっかけとしては良いかもしれません。
アルトコインとは、ビットコイン(BTC)以外のすべての暗号資産のこと。
ステーキングサービスを利用する取引所を選ぶポイント
ステーキングサービスを利用する取引所を選ぶ際にチェックしておくと良いポイントは、以下の5つ。
- 取り扱い銘柄の種類
- 金利(報酬年率)
- 手数料
- 暗号資産(仮想通貨)取引所の安全性
- 最短報酬付与日
それぞれサクッと解説しますね。
取り扱い銘柄の種類
ステーキングサービスを利用できる銘柄は、取引所によってさまざま。
あなたが長期的に持ちたい暗号資産が対応しているか、事前に確認しましょう。
金利(報酬年率)
よりお得に利益を得たいなら、金利が高い取引所を選ぶべきです。
しかし、金利が高い分、ステーキング中の暗号資産の価格が下がったときに損失が大きくなることも忘れてはいけません。
手数料
手数料が高いほど、得られる利益は少なくなります。
しかし、上記でもちらっと説明した通り、自力でステーキングをするのはめちゃくちゃ大変。
手数料を払ってでも、国内の取引所でサービスを利用した方が簡単にステーキングを始められます。
暗号資産取引所の安全性
最後に、暗号資産取引所の安全性も重要です。
セキュリティレベルの低い暗号資産取引所でステーキングしてしまうと、報酬が支払われない可能性もあります。
いくら金利が高いからといって、名前も聞いたことがないような取引所でステーキングすることがないようにしましょう。
最短報酬付与日
最後の最短報酬付与日は、おまけです。
ほとんどの場合は、ステーキングした分について翌月から報酬がもらえます。
ちなみに、報酬が配布される日にちは取引所や銘柄によって違うので、こだわりのある人はチェックしておきましょう。
【比較】暗号資産のステーキングサービスを利用できる国内取引所2選
ステーキングサービスを利用する取引所を選ぶポイントを理解したところで、ここでは2つの国内取引所を一覧にしました。
ステーキングサービスを利用するときの参考にしてみてください。
GMOコイン | BITPOINT | |
銘柄 | 7種類 | 3種類 |
金利(利用料率) | 2.0〜6.9% | 〜5.3% |
手数料 | ステーキング報酬の28% | 無料 |
安全性 | ◎ | ○ |
最低報酬付与日 | 翌月(2ヶ月以降の場合も) | 翌月 |
詳しくは、それぞれの公式サイトからチェック!
ステーキングサービスの始め方
ざっくりとしたステーキングサービスの始め方は、以下のとおり。
- ステーキングサービスを利用できる取引所の口座を開設する
- 日本円を入金する
- 暗号資産を購入する
誰でも簡単に始められますが、デメリットもあります。
よく考えたうえで、ステーキングを利用するか決めてください。
暗号資産のステーキングに関するよくある質問
ここまでを読んで、ステーキングサービスについて疑問点が浮かんだ人もいるのではないでしょうか?
ということで、ここでは暗号資産のステーキングに関するよくある質問に答えていきます。
税金はかかる?
ステーキングで得た利益には、税金がかかります。
以下のタイミングで発生するので注意しましょう。
- ステーキングの報酬として暗号資産を受け取ったとき
- ステーキングで得た暗号資産を売ったとき
- ステーキングで得た暗号資産を日本円に換金したとき
ステーキングでどれくらい稼げるの?
たとえば、以下の条件で計算すると
銘柄:コスモス(ATOM)
年率:6.9%
保有数量:100ATOM
1年で7,093円くらいの報酬がもらえます。
もっと具体的に知りたい方は、ステーキングを利用できる公式サイトでシミュレーションできるので試してみてください。
まとめ:暗号資産のステーキングは資産を増やす1つの手段
暗号資産のステーキングは「株式投資のようなもの」でした。
絶対に儲かるとは言えませんが、初心者でも始めやすいサービスです。
最後に、この記事で紹介した暗号資産のステーキングサービスを利用するメリット・デメリットをおさらいしておきます。
暗号資産のステーキングサービスを利用する5つのメリット
- 簡単に報酬がもらえる
- 銀行よりも金利が高い
- ステーキング中でも自由に売買できる
- 分別管理の対象
- 専門的な知識や時間がない人でも利用できる
暗号資産のステーキングサービスを利用する3つのデメリット
- 絶対に利益を得られるとは限らない
- ステーキングサービスが中止される可能性がある
- サービスを利用できる取引所や銘柄が限られている
暗号資産の売買によって得られる利益に比べたら、ステーキングによる利益は少ないかもしれません。
さらには、損をする可能性だってあります。
しかし、暗号資産を持っているだけで資産を増やせるのはかなり魅力的。
まずはお試しで、少額から挑戦してみるのもいいかもですね!
GMOコインは対象の銘柄が多く、セキュリティ対策にも力を入れている暗号資産取引所です。
ステーキングサービスを利用したい方は、ぜひ口座を開設するところから始めてみてください!
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